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睡眠時無呼吸症候群対策の顛末 | ||
それは2ヶ月ほど前、新聞で見た小さなコラムが始まりでした。 よくある鼻呼吸を勧める記事だったのですが、ひとつ目を惹いたのは、 夜、粘着テープで口をふさいで寝ると良い、というところでした。 ホント? そんなんでいいことあるの? でも、なんだかピンと来るものがあった私は、 引き出しの奥に転がっていた紙のテープを取りだし、 口を一文字に閉じてテープを縦に4本貼って寝てみました。 するとこれがびっくり。翌朝、爽快なのです! 夜中に息が苦しいという事もなく、よく寝られた感じがし、頭がスッキリなんです。 ホー、これはこれは、と思い、翌日も、また翌日も。 すると数日して気がついたのは、二日酔いしなくなった、ということなんです。 お酒を飲み過ぎると時々あった、翌朝頭が重くて、意識にちょっと霧がかかったような、 あれがなくなったんです。 これはもう、大発見! それで考えたのですが、もしかして、あれは二日酔いではなかったのかもしれない。 もしかすると、睡眠時無呼吸のせいだったのかもしれない。 紙テープのおかげで無呼吸が減っていて、それで朝スッキリなのか? だとしたら、これはちゃんと治療する価値があるのでは? 昔からいびきはかなりひどいと言われていました。 学生時代、夏休みに友達と旅行して、その一人である九州出身者の実家に行った時のこと。 しこたま飲んで先に寝てしまった私を皆で取り囲んで、 いびきのすごさに感動&心配していたという話があります。 結婚してからは家内には迷惑をかけましたが、 恐ろしいもので、やがて家内もいびきそのものは慣れちゃったんだそうです。 でも、時々呼吸が苦しそうなのが心配と言われていました。 上を向いて寝ると苦しそうになるので、 横を向いて寝なさいと言われ、自分でもできるだけそのようにしていました。 でも、治療が必要なほどだとは思っていなかったのです。 しかし、たったの紙テープだけでこんなに劇的に改善されるということは、 これはもしかしたら立派な睡眠時無呼吸症候群なのかもしれない。 そこで一念発起して(大げさ)ネットでいびき外来を探し、検査を受けることにしました。 体にいっぱい電極をつけて、病院で一晩寝るんです。 脳波、気流センサー、体位のセンサー、血液中の酸素濃度のセンサー、心電図、マイク、などなど。 この検査代が一晩で25,200円。結構なもんです。 で、結果、息が止まった回数が47回、止まりかけた回数が79回、 この合計値を睡眠時間で割った数値をAHIといい、これが16.9。 お医者様がおっしゃるには、 「まあこれでしたら軽度と中度の間くらいの数値で、すぐに治療しなくては、というほどではありません。 というのは、本格的な治療はCPAP(シーパップと読むそうです)といって、 寝ている間中、鼻から軌道に空気を送り込む機器を装着するんですが、 それは、この値が20以上でないと保険がきかないんですよ」とのこと。 さすが保険制度は厳重になっていて、こういうすぐに命に関わらないものには、 安易に金を出さないしくみになっています。 惜しいところでした。 しかしこれで終わるのもしゃくですので、紙テープの話もして相談したところ、 それではマウスピースを試してみましょう、ということになりました。 私の場合、上を向いて寝るとあごが落ちて口が開き、舌が気道を塞ぐのです。 マウスピースは上下の歯をかみ合わせた状態で固定し、あごが落ちないようにするわけで、 効果はあるように思えました。 それでは歯科医に紹介状を書きましょう、ということで、それをお願いし、 その足で紹介された近所の歯医者さんに行きました。 歯型を取ってもらって、マウスピースを制作してもらうことに。 3回通って、出来上がりました。 私の場合、皆さんご存じのようにかなりのガチャ歯なので大丈夫かなと思ってましたが、無事完成。 歯医者さんにかかったお金はマウスピース代約8,000円を含めて合計13,280円也。 こちらは紹介状を書いてもらうと、保険がきくんだそうで。 さてこれを装着して寝てみると・・・ たしかに上向きに寝てもあごが落ちない。これは画期的です。 安心して上向きに寝られるというのは、長年のあこがれが実現できたうれしさです。 家内の観察によりますと、いびきはかなり少なくなっているようだとのこと。 口の中に異物を入れて寝るのは、最初は結構違和感がありましたが、だんだん慣れてきました。 ただ、効果は、紙テープのときと比べてさらに爽快かというと、それほどの違いはありません。 その点はちょっと残念ですが、せっかく作ったのにもったいないので、今のところ毎晩着用しています。 これが私の睡眠時無呼吸症候群対策の顛末です。 なんと言っても日中頭が重く、ボーッとすることがなくなったのがありがたいです。 年とって酒に弱くなったせいかとばかり思っていたのが、無呼吸のせいだったとは・・・ うかつでした。 もし心当たりがおありの方がいらっしゃいましたら、一度検査してもらったほうがいいかもしれません。 でも安心して飲めるようになったので、量がちょっと増えたかも。 そして今回一番面白かったのは、その検査で入院したときの看護婦さんの説明。 夜8時までに入って下さい、夕食は済ませてきて下さい、などと事務的に言ったあと、 普段お酒を飲まれるのであれば、ぜひ飲んできて下さい、とそう言うのです。 まあ、言われなくてもちょっぴり飲んでいったと思いますが、堂々と酔っ払って行きました。 おかげで電極をいっぱいくっつけられたにもかかわらず、あっという間に寝てしまいました。 |
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