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42号 3年がたちました (2009/10/25) | ||
蕎麦さかいメルマガ読者の皆様、大変ご無沙汰してすみません。 何かあったわけではありません。おかげさまで家族3人元気で過ごしております。 看板娘のアリッサはかなり老境に入ってまいりまして、 朝夕の散歩も次第に控えめになり、一日のほとんどを寝て過ごしておりますが、 食い意地だけは相変わらず旺盛です。 さてこの10月で、蕎麦さかいは、皆様のおかげをもちまして開店して3年がたちました。 石の上にも3年と申しますが、よく言ったものでございます。 3年たちまして、ようやく何か、落ち着いてまいりました。 最初の頃のメルマガを見ますと、 慣れないことだらけの中、ドタバタと必死にやっていたことを思い出します。 例えばお客様がいらっしゃる日の前日から当日にかけて、 最初の頃は、料理の下ごしらえから仕上げまでの手順を全部紙に書いて貼りだしておりました。 それがいつしか、ある程度頭に入ったのと、生来の横着のせいで、 そういうこともしなくなりました。 しなくて大丈夫になったのかというとそうでもなく、 時々「大変だ! あれ忘れてた!!」なんてことがありまして、 家内には、いつになったら学習するのかとあきれられています。 この3年間で一番の失敗といえば、あの事件です。 ある日、確か日曜日だったと思いますが、お客様がいらしている最中、電話がかかってきました。 「頼んでおいた蕎麦が届かないんだけど・・・」 「え? 今日・・・ でしたっけ?」 発送してないんです。 大変!!! カレンダーを見ると、なんと、1ヶ月後の同じ日付のところに書いてあるではありませんか。 私が1ヶ月間違えて書いてしまったのです。 もう、どうしようもありません。 ひたすらお謝りいたしまして、お詫びに後日サービスで発送させていただきました。 思い出しても冷や汗が出ます。 申し訳ございませんでした。 幸いなことに、リビング蕎麦ではまだそれはありません。 「予約の○○です」「え? 今日でしたっけ!!!」 想像しただけで胸が痛くなります。 逆に、ご予約されていたお客様がお見えにならなかったこともありません。 ありがたいことです。 ただ一度だけ、こういうことはありました。 お客様がおそろいになったら、ご予約より1名多い。 「あらー、私、自分を数えるのを忘れてたわー。ごめんなさい」 幸い翌日も同じメニューで準備をしていたので、何とかなりました。 人数が減ることは、これはよくあります。 皆様いろいろとお忙しいことですから、これは仕方がないと割り切っています。 その晩の私たちの食卓が、豪勢になります。 −−−−−−−−−−−−−−−− 3年たちまして、なんといっても感慨深いのは、お客様にいらしていただけていることです。 こんな素人の道楽仕事で、果たしてお客様は来てくださるのか。 予約は入るのか。 それはそれは、心配でした。 お客様が続かなければ、やっていくことはできません。 そのときは恥ずかしながら蕎麦屋は廃業して、もう一度サラリーマンに戻らなくてはならないと思っておりました。 ですから、毎日途切れずにお客様に来ていただける今があるのは、夢のようです。 皆様、ありがとうございます。 慣れるということは、楽になるということなのですが、同時に怖いことでもあります。 新鮮さを失い、同じことの繰り返しに甘んじてしまうことの怖さです。 3年後にもお客様に来ていただける蕎麦さかいであるためには、 今と同じではきっとダメなのだろうと思います。 老舗のご主人が書いたものを読むと、必ず出てくるのは、 「変わらないために、変わらな、あきまへん」ということ。 そういう方々には遙かに及びませんけれど、 肝に銘じてやっていきたいと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。 |
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