4号 税務署と保健所に行きました(2006/8/6)

暑くなりましたですねえ。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
前々回書きましたように、夏生まれの私は暑いのは大好きでして、今日8月6日12時現在も、室温32℃の中で扇風機をまわしながらこれを書いております。
さて、タイトルにもありますように、今回は税務署と保健所に行った話をいたします。

税務署なんて、別に行きたくて行くわけじゃないのですが、会社を辞めた以上個人でお付き合いしていかなければならないわけです。

そもそも、今回蕎麦屋をやるにあたって、法人にするかどうか一応考えたのですが、相談した専門家の皆さん口をそろえて「酒井さん、その規模だったら全然個人でいいですよ。今は個人でも経費は認められますし、法人にするメリットは無いですね」と太鼓判を押されてしまったので、株式会社蕎麦さかいの社長になる夢は露と消え去り、個人事業として開始することにしたわけです。

で、個人事業主は個人事業の開業届けなるものを税務署に出さなければならないらしいということで、まずそいつはいったいどういうものなのかと伺いに行ったわけです。
窓口で声をかけましたところ、眼鏡をかけたとても美形の若い女性が出てこられまして、これこれこういうことでと言いますと、眼鏡の奥のつぶらな瞳をきらきらと輝かせながら、とっても親切に説明してくれました。開業届けと、青色申告承認の申請書というものを出し、日頃きちんと帳簿をつけ、決算をし、確定申告をするのである、ということでまずは用紙をいただきました。
何しろこちらはまったく初めてのことですので、眼鏡美人がとても頼もしく思え、ついフラフラっとなりそうでありました。

余談ですが用紙を2枚くれるので、書き損じのための予備をくれるとはえらい親切だなと思ったらそうではなく、「1枚はあなたの控えです」と。つまり2枚おんなじことを書いて持って来なさいということなんですね。これにはびっくりしました。ちなみに都税事務所のほうはまっとうに2枚複写になってました。

で、青色申告をするためには、複式簿記という、名前を聞いたことはあるけれどどういうものかよくわからない、なんか私の苦手っぽーいことをやらなければならないようなのです。
皆目わからないので、さっそく本屋に行って「個人事業の始め方」「個人事業者の帳簿・節税事典」という2冊の本を買ってきまして、よーくよく読んでみましたが、なにやらめんどくさいことが山ほど書かれています。

しかし、先だってから税理士の知り合い二人に相談したのですが、そろって言うことには、「酒井さん、そんな小さな規模だったら税理士に頼まなくても自分でやれますよ。いずれにしろ最初は自分でやってみたほうが良くわかりますし」と突き放されているので、やるしかありません。

そこであとはかいつまんでお話しますと、これを買えば簿記は全然わからなくても仕訳が出来て帳簿がつけられ決算も出来るという魔法のような「やよいの青色申告06」なるソフトを買いまして、あ、これライブドアで有名になった弥生会計の最も初歩的なバージョンです。ビックカメラで9,780円也。そして税務署に開業届けと青色申告承認申請書、都税事務所には個人事業開業申告書、とそれぞれ書類を提出して受付印をポンポンと押してもらい、さらには青色申告会という互助会みたいなのにも入会しましてしつこくいろいろ質問もしてきました。

全体的に言って、税務署というのはお金を払ってもらう商売だからでしょうか、税金さえごまかそうとしなければいくらでも親切にいたしますよ、という雰囲気でした。

ところが問題なのは保健所のほうでした。こちらはとにかく、飲食業の営業を許可する、というお上の立場にあるわけでして、まあ世の中にはいろいろな手合いがいるからということもありましょうけれども、「当方の言うとおりにせんと許可してやらんぞ」的姿勢が見え隠れする対応でした。

最初は何が必要なのか皆目わからない状態で区役所の保健所に参りました。窓口に出てきていただいたのは控えめな感じの若い男性。蕎麦屋をやりたいんですが、という私に怪訝な顔もせず、それではと「食品関係営業許可申請の手引き」というパンフレットを事務的に出されました。「何か資格が要るのですか」「それは食品衛生責任者養成講習会というのに一日出れば資格がもらえます」「おお、そうですか」
しかし、彼の顔が曇ったのは「場所はどちらでやられるのですか?」「深沢です。自宅なんですが」と答えた時でした。「自宅じゃまずいんですか」「うーん、ご自宅でやられるのは一向に構わないんですが、あくまで営業施設は自宅と分けて、ここにある基準を満たす設備を備えていただかなくてはいけません」「はあ、そうすると具体的にはどういうことになりますか・・・」

詳細は省きますが、要するに自宅のキッチンを営業施設にするのはいいんだけど、そうするとそこは営業専用にしなければいかんというのが一番のポイントであることがわかりました。それ以外にもシンクは2槽にしろとか、大きさはこうだとか、床は勾配がついて排水溝が無きゃいかんとか、そういうことがいろいろと書かれております。「なんで自宅の床に排水溝が無きゃいかんのか!!」いえいえ、そんなことを彼に言っても仕方ありません。そこはにこやかに「わかりました。また図面を持って具体的にご相談に参ります」と辞したのです。

しかし許可をもらわないでモグリでやるのは主義に反しますから、なんとしてでも許可はいただかなくてはなりません。そこで急遽家族会議を開きまして、何を言われてもやらなければならない工事はやる、という覚悟を決めて、再び保健所に参りました。今度は妻も一緒に二人で行きました。お相手は深沢地域の担当とお聞きした女性の方です。

1時間あまり、いろいろと詳細にこれはいいこれはだめというやりとりをし、最終的に、手洗い用の洗面器をつける、食洗機をつける、間仕切りをする、2階に自宅用キッチンを作る、大雑把に言うとそういう工事をすればOKということになりました。床の排水溝はいらないようでした。こちらが資料をきちんと読んで質問事項を整理して行ったせいか、かなり好意的に対応してくださいました。妻と一緒に行ったのは正解でした。やはりこういうことは女性同士だと話がまとまりやすい。おまけに妻はインテリアコーディネータでもありまして。

翌日さっそく知り合いの建築屋さんに来てもらい、概要を話すとさすが専門家、心得たもので、「ああ、そういう事情ですね、なんとかしますよ」ということで、一安心です。


以上が税務署、保健所訪問の顛末です。長くなりまして申し訳ありません。最後までお読みいただいて、本当にありがとうございます。
ちなみに明日からは4週間、一茶庵(http://www.issaan.co.jp/)のプロコースに行ってまいります。もう一度基礎から勉強します。
その様子はまたご報告いたします。

それでは。

−−−−−−−−−−−−−−−
蕎麦さかい 酒井雅弘
muu@soba-sakai.com
http://soba-sakai.com/
−−−−−−−−−−−−−−−



戻る
Copyright (c) 2006 Soba SAKAI. All rights reserved.