38号 蕎麦打ち教室の巻 (2009/3/3)
蕎麦さかいメルマガ読者の皆様、大変ご無沙汰いたしまして、申し訳ございません。
おかげさまで元気に営業させていただいております。

本当にありがたいことに、この不況下でも途切れることなくお客様にいらしていただいてまして、その結果予約表に×がやたらと多くなってしまっております。これではあまりに申し訳ないので、最近昼夜2興行の日を少しずつ増やしております。この前は金・土・日の3日間で5組様をお迎えしました。
しかし何しろ手仕事で要領も悪いものですからこれは結構大変でして、現在社内では「お客様のご要望にこたえるためにもっと営業機会を増やすべきだ」という意見と「無理のない範囲でゆったりとやりたいなあ」という意見とが並立しており、日夜議論を戦わせているところです。

さて今回は蕎麦打ち教室のお話をさせていただきます。

実はその歴史は古く、蕎麦屋を始めるはるか前、もう15年以上前から、友達や後輩を休みの日に呼んでは蕎麦打ち体験&ホームパーティーをやっておりました。蕎麦さかいの原型のようなものです。

中には私の大学時代からの親友M君のようにすっかりハマッたのもおりまして、彼は商社マンなのですが、赴任先のシンガポールやらサウジアラビアやらに蕎麦打ち道具を持ち込み、休みのたびに蕎麦を打っては振る舞い、駐在仲間から大いにありがたがられているらしいです。
ちなみに蕎麦粉はどうしているのかと聞くと、日本から出張で来る社員に頼むのだそうで。でも何しろ白っぽい粉ですので、変なものと間違われると大変だとか。

本題に戻りまして、蕎麦打ち教室にはいろいろな方がお見えになります。
一度是非やってみたかったと、小田原のほうからご夫婦二組でいらっしゃったTさん。
自宅レストランの食べ歩きをしていらっしゃるTさんは、2度目は蕎麦打ちにおいでになりました。
今年やってみたいことの一つが蕎麦打ちだったのですとおいでになったFさん。
皆さんホームページで見たのだけれど、といらっしゃいました。
試みにGoogleで「蕎麦打ち教室」で探しても、蕎麦さかいなんか、ずーーと後のほうにしか出てこないんですけど。不思議ですねえ。

アメリカ人のF一家。ホームページに写真も載ってますが、とても楽しんでおられました。すっごく器用で、一度見ただけでとても正確に手さばきを会得されたのには驚きました。

田舎で自分で栽培した蕎麦なんだけど、うまくつながらない、と粉持参で来られたMさん。
粉がいけないのかと思いましたがそうでもなく、無事つながった蕎麦になって、私もほっとしました。

いろんなお客様がいらっしゃいますが、何と言っても多いのが若いカップル。二人だけで蕎麦打ち&お食事にいらっしゃいます。
お付き合い中のカップルも若いご夫婦も来られます。
仲睦まじくご一緒に打たれる方、それぞれでチャレンジされる方、これもいろいろです。

ところが最近、若いカップルには共通の特徴があることに気づきました。我々のような世代にはあまり見られない特徴です。
それは、お互いにほめあう、ということです。
「結構うまいじゃん」「手つき、いいねえ」「上手じょうず」「きれいにできてるよ」「○○くん、うまーい」

僕らのような世代だと総じて逆ですよね。
「へっただなー」「ほれほれ、違うじゃない」なんて、すぐそうなってしまう。

なんでなんだろう、と考えてしまいました。

互いにほめるのを聞いていると、最初はちょっと違和感があったし、歯が浮くようで恥ずかしいなあなんて思いました。
でも最近は、これって、けっこういい感じなんじゃないかと思い始めました。
生まれて初めて蕎麦打ってみて、そりゃうまく行かないに決まってる。でもその中でもうまく行ったところを一生懸命見つけて、そこをすかさずちゃんと認めて声をかける。お世辞とかそういうんじゃないんですね。
そういう行動が、普通に自然に素直にできるのは、僕らの世代には無かった、今の若い世代の、とってもすぐれた点なんじゃないでしょうか。

でもこの話を先日同世代の男性にしたところ、
「考えられん」
とバッサリ。これもわかります。
皆さんは、どう思われますか?



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